愛した分愛されたいと願った

本当につい最近の事。

高2の春、ある1人の男に恋に落ちた。
少し遠いところに住んでいたが、行けないことは無かった。
彼は、暴力が激しかった。会う度にお金を要求し、カラダを求め、お酒を飲んでいた。

私はそのお金のためにカラダを売った。
今思えばアホすぎるし、ていうかよく親も気づかなかったなと思った。

付き合った期間が3ヶ月半と短かったが、私からしたらとても濃い3ヶ月半だった。

彼は悲しい人だった。
話には聞いていたが嫁が男を作り逃げ、子どもでさえ母の方について行ったという。
仕事を転々とし、今の仕事にたどり着いたと言っていた。
私は、彼を愛したかった。

彼を治したかった、に違いないけど。

そこからは早かった。
彼の家に行き、手の届ききってなかった掃除をし、彼の好きな料理を必死に作り、お金を渡し、お酒を買ってあげた。

しかし彼は毎回暴力を奮ってきた。
しかも顔は絶対狙わない、首からしたを。
服を無理やり脱がせてきたかと思えば首を絞められ。
中出しして彼はぐったりして横で寝る。
私はそれでも愛した。
好きが度を越して、純粋な恋愛をすることすらなくなっていたからというのもあった。

知らないおっさんとたった1万でしたり、時には1度に6万稼ぎ、それも全て彼に注いでいた。
私のことなんてどうでもよかった。
彼に可愛いといわれなくても、好きと言われなくても、彼を、彼が良くなると思って、注いだ。

月日がたち、三ヶ月少し過ぎた頃、彼の様子が少しづつ良くなっていた。
お金を要求することは続いていたが、カラダを求めてくることがなくなってきた。
しかしわたしからしたら、それは不安でしかなかった。
離れるための準備だと思った。

私から服をぬがし、求めても彼は今日はいいと言って横になって寝るだけだった。
料理も作らなくていいし掃除もしなくていい、と言われた。
ただ私はお金を渡し続けてはいた。

三ヶ月半。彼からぱったりと連絡が来なくなった。
何度電話をかけても、電話番号変更をされたのかかからなかった。
家に行ってみても、表札すらなかった。

そこから1年過ぎた去年の秋頃。

尽く調べ尽くしたところ、とあるアパートに辿り着いた。
そこには同じ苗字と共に見知らぬ女の名前と子ども?の名前があった。

鍵もないからただ遠くから見ていたら、彼のあの車が止まった。
そこから出てきたのは彼と、女と、子どもだった。
とても楽しそうに買い物袋を持ち、子どもを見つめる2人。
私は、笑った。

彼がようやくまともな人間として生まれ変わってくれた。
私のおかげで今の彼が出来た。
あんないい雰囲気のお嫁さん、子ども。
私は彼の神様として2人を結ばせたんだ、と。


だけど涙が止まらなかった。
何度も何度も、唇を噛み締めたせいで血がぽたぽた落ちていくほど。
苦しくて切なくて、だけどどこか嬉しくて。

だけど、ワガママを言えば


愛したぶん、愛されたいと思った自分がいた。